kintone コマンドラインツール (cli-kintone)
(著者:瀧ヶ平 充)
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はじめに
今回はkintone コマンドラインツールを使った、添付ファイルのダウンロード・アップロードの方法をご紹介します。
添付ファイルのダウンロード
添付ファイルは以下のコマンドでダウンロードできます。
-b の保存先の指定は必須で、存在しないディレクトリ名を指定した場合は、新たにディレクトリが作成されます。
ダウンロード先のディレクトリ構成
添付ファイルは下記のようなディレクトリ構成で保存されます。
▼ 通常の添付ファイルフィールドのファイル
▼ テーブル内の添付ファイルフィールドのファイル
※Index は0から始まり、取得対象のレコード数に合わせて増加します。
例)取得対象のレコードが3件の場合
<添付ファイルのフィールドコード>-0
<添付ファイルのフィールドコード>-1
<添付ファイルのフィールドコード>-2
添付ファイルのアップロード
-b オプションを付けた場合のCSVの添付ファイルフィールドの形式
CSVを用意するために、-b オプションを付けてエクスポート結果を確認してみます。
今回は確認が目的なので、-c オプションでエクスポートするフィールドを制限してわかりやすくしましょう。
保存先ディレクトリを save、添付ファイルのフィールドコードを Attachment とした場合、以下のようなCSVがエクスポートされます。
この例では、IDが1のレコードには1-1.pngと1-2.png、IDが2のレコードには2-1.pngがそれぞれ登録されています。
添付ファイルの部分の出力は保存場所 save
ディレクトリからの相対パスで表され、複数件登録されている場合は改行区切りでパスが表記されます。
テーブル内の添付ファイルフィールドの場合も、各行ごとに同様の形式で得られます。
添付ファイルを含むレコードの追加
それでは、前回まで使ってきた顧客リストアプリに新しいレコードを登録してみましょう。
STEP1 追加レコード用のCSVファイルを用意する
まずは添付ファイルを追加するために logo という名前でディレクトリを作成し、そこにファイル logo.pngを配置します。
ここまで完了したら次のような登録用CSVファイルを作成します。
複数添付ファイルを加える場合は「改行」で区切ってパスを書きます。
例えば logo_b.png もあわせて追加する場合、以下のように記述します。
これを add_record_with_attachments.csv として保存しましょう。
CSV作成時のポイント
cli-kintoneでエクスポートしたファイルへの追記でCSVを作成する場合、改行コードが統一されるようにCSVを作成してください。
複数の添付ファイルを扱う場合、改行コードが入り混じった状態で作成されたCSVはインポートに失敗することがあります。
cli-kintoneは改行コードが「CRLF」という形式になるようにCSVを保存しますが、コマンドプロンプトでリダイレクトしてエクスポートした場合、添付ファイル表記の改行部分だけ「LF」という形式になってしまうことがあります。
STEP2 レコードを追加する
添付ファイルとCSVの準備ができたら、次のコマンドを実行するとレコードを登録できます。
登録したレコードは以下のようになっていると思います。
前回までの記事をやってみた方は顧客リストアプリの会社名を重複禁止にしていると思うので、再度テストする場合は会社名を書き替えて行ってください。
添付ファイルを含むレコードの更新
今度は先程登録した添付ファイルを含むレコードを更新してみましょう。
STEP1 更新用CSVファイルを用意する
第3回 を参考に、更新用のCSVを用意します。
今回は添付ファイルを1つだけ追加してみます。
指定しなかった添付ファイルはすべて消されてしまうので、あらかじめcli-kintoneで画像を取得しておきましょう。
このとき、CSVも同時に保存しておくと書きやすいですね。
▼ customerlist
を添付ファイルの保存先に指定して実行した場合。
このようにディレクトリが作成され、レコードに登録されているロゴのファイルが保存されます。
既存の添付ファイルは <保存先ディレクトリ>\Attachment-5 に保存されているため、 Attachment の項目にはこちらのディレクトリに新たに追加する添付ファイル Attachment-5\logo_c.png を追加します。
その後、以下のようなCSVを update_record_with_attachments.csv として作成します。
STEP2 レコードを更新する
レコードに logo_c.png を追加したので、 <保存先ディレクトリ>\Attachment-5 に対応する logo_c.png を追加してからコマンドを実行します。
更新が成功したら以下のような状態になっているかと思います。
今回の作業ディレクトリはこんな感じになっているかと思います。
添付ファイルの操作、いかがでしたか?
ここまでくればcli-kintoneは完璧にできたのではないでしょうか。次回は実運用について触れていきます。お楽しみに。
このTipsは、cli-kintone Ver 0.10.2 と2020年3月版 kintone で確認したものになります。
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