はじめに
2018年1月に、Microsoft Power Automateにkintoneコネクタが追加されます。その新しい機能を使ったTipsを、公開前にひと足早く紹介します。
Microsoft Power Automateとは
Microsoft Power Automate(以降、MS Power Automate)は、複数のサービスを連携させるサービスです。たとえば、kintoneにデータが登録されると、Slackなど別のサービスに通知する、ということが、難しいコードを書くことなしに実現できます。
Office365の同梱版と、無償版と有償版があります。プラン詳細はこちらを参照ください。
kintoneコネクタとは
MS Power Automate上で連携を設定できる対象サービス(「コネクタ」と呼ばれる)の中に kintoneが追加されるようになります。
※ 2017年11月時点では追加されていません。最新のコネクタはMicrosoftのページで確認ができます。
※ 2017年のリリース時では、トリガーにkintoneのレコード登録、アクションにkintoneのレコード登録と更新を利用できます。
kintoneコネクタの3つのポイント
kintoneコネクタで注目すべき3つのポイントを説明しましょう。
1. MS Power Automate側の画面だけで完結
kintoneの画面を開くことなく、MS Power Automate側の画面だけでkintoneと他サービスとの連携設定ができます。
2. 完全なノンプログラミングを可能に
kintoneコネクタ以前では、フィールドのマッピングのためにkintoneのJSON形式を手入力する必要があり、多少の技術的な知識が必要でした。
また、kintoneアプリ内の複数のフィールド名がMS Power Automate画面上で区別できず、取得したいフィールドが出力されるまで、何度もフローをテストする必要がありました。
kintoneコネクタを使えば、アプリ番号を入力すると自動でフィールド名が画面に表示され、簡単に任意のkintoneのフィールドを選択することができます。
3. OAuth 2.0に対応
MS Power Automateからkintoneへの接続するための認可方式としてOAuth 2.0を使用しています。
OAuth はREST APIを実行する際の認可のためのプロトコルで、Office 365をはじめとする多くのサービスで使われています。
準備
利用するサービス、API
- kintone
- Microsoft Power Automate
kintoneアプリの作成
アプリをはじめから作成し、以下の画面を参考にフィールドを配置してください。フィールドコードは使わないため考慮不要です。 アプリIDを控えておきましょう。
例)https://[subdomain].cybozu.com/k/xxx/ ←アプリIDはxxxの部分の数字です。
ユーザー: 文字列(1行)
ツイート: 文字列(複数行)
URL: 文字列(1行)
ツイートされた日時: 日時
Microsoft Power Automateの設定
事前にサインアップをした上でフローを作成してください。
メニューの「マイ フロー」から「一から作成」をクリックします。
Twitter(トリガー)の設定
トリガーを検索する画面で「twitter」と入力し、「Twitter - 新しいツイートが投稿されたら」のトリガーを選択します。
Twitterへの接続を作成する画面が出るので、「サインイン」ボタンをクリックしてからログインします。
フィルターしたいキーワードを入力します。今回は「kintone」です。
条件の設定
日本語のみをフィルターする場合は、「新しいステップ」-「条件の追加」で条件は以下のように入力します。
「ツイートの言語」等の動的なコンテンツは、以下のように右側のポップアップウィンドウから選択して入力します。
kintone(アクション)の設定
「はいの場合」-「アクションの追加」で「kintone」と入力して選択し、アクション「kintone - アプリにレコードを登録する」を選択します。
kintoneへの接続を作成する画面が出るので、「サインイン」ボタンをクリックしてからログインします。
※ この画面は実際の環境と異なります。実際の環境では、この画面でお使いのkintoneのドメイン名を入力してください。
kintoneのログイン画面の後、こちらの画面で「許可」をクリックします。
以下の画面を参考に、手入力と動的コンテンツを組み合わせてkintoneのアクションを設定します。
1行目のアプリIDを入力することで、2行目以降(画面では「URL」以下)で該当のフィールド名が取得できるため、間違えないようにしましょう。
最後に「kintoneのツイートを収集」など任意のフロー名を入力し「フローの作成」「完了」をクリックします。
動作確認
フローが成功すると、以下のようなツイートを収集し、自動でレコードが登録されるようになります。
kintoneのアプリに入れることで、グラフやフィルタの機能と組み合わせて、蓄積したツイートデータを管理することができます。
画面のように、アプリのプロセス管理機能を使ってステータスを管理していくのもいいですね。
おわりに
MS Power Automateを使うと簡単にメジャーなサービスとkintoneの連携が可能になります。
今回はkintoneをアクションにしてkintoneへPOSTするフローでしたが、逆にkintoneからPOSTしていくことも可能です。
面白く実用的なMS Power Automateのフローをこれからもいくつかこのサイトで紹介していきたいと思います。
注意事項
- kintoneコネクタのリリース当初は、PremiumコネクタとしてMS Power Automateの有償プランでのみの提供を予定しています。Office 365の同梱版では利用できないため、ご注意ください。
- kintoneコネクタは、BASIC認証には非対応です。
- IPアドレス制限時の利用では、次のMS Power Automateが使うアドレスをkintoneで許可しておく必要があります。
- MS Power AutomateのIPアドレス帯 https://docs.microsoft.com/ja-jp/flow/limits-and-config
-
AzureデータセンターのIPアドレス帯 https://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=41653
このTipsは、2017年11月版のkitnone および 公開前のkintoneコネクタで確認したものになります。
IPアドレス制限がかかっている場合以下のIPアドレス設定も追加で必要とのことです。
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aruzi0306 さん
お世話になっております。 cybozu developer network 運営事務局でございます。
ご指摘ありがとうございます。
IPアドレス制限について、注意事項に追記致しました。
今後とも、cybozu developer networkをよろしくお願い致します。