[著者:TOYOKUMO(旧:cstap) 落合 雄一]
はじめに
本tipsでは、kintone とkintone連携サービス「プリントクリエイター」の連携方法を紹介します。
プリントクリエイターとは?
プリントクリエイターは、きれいに帳票印刷をするための初期費用0円、6,000円/月〜の安価なサービスです。出力枚数やレイアウト作成数、利用人数などの制限は一切ありません。kintoneアプリのデータを引用した帳票出力ができます。そのため、kintoneで顧客管理アプリ等と帳票出力が一括管理できます。
プリントクリエイターは、マウス操作で簡単にレイアウト作成が可能です。しかし、フォームの設計情報取得APIが対応していないテーブルや関連レコードついてはマウス操作で扱えません。そのため、プリントクリエイターはカスタマイズにより、テーブルや関連レコードを扱える方法を用意しております。
接続イメージ
以下が、kintoneとプリントクリエイターの接続イメージです。
使用例
今回は、実際に私達が行っているテーブルを使った見積書を出力する例を紹介させていただきます。見積を出した後も、「どの会社にいくらで見積を出したか管理したい」「担当者別に管理したい」という管理職の方はいらっしゃると思います。kintoneで見積管理をすれば、上記の様な問題は解決です。
プリントクリエイターでは、下記左のような見積書のフォーマットとなるPDFファイルを背景として登録します。後述する設定を行うことで、下記右のような見積書をPDFファイルで出力することができます。
kintone側の設定
上記で紹介したような見積書を出力する際、私達は以下のようにフィールドの設定を行っています。全ての項目が必須な訳ではありませんが、管理する際に便利な項目も含め記載しています。
フィールド名 |
フィールドタイプ |
フィールドコード |
見積作成日 |
日付 |
date |
見積書有効期限 |
文字列(1行) |
date_limit |
作成者 |
作成者 |
user |
お客様名 |
文字列(1行) |
company_name |
テーブル |
テーブル |
Table_0 |
注意 |
文字列(複数行) |
alert |
小計 |
計算 |
sum_total |
消費税 |
計算 |
tax |
合計 |
計算 |
total+tax |
テーブル(Table_0)内フィールドについては、以下のようにフィールドの設定を行っています。
フィールド名 |
フィールドタイプ |
フィールドコード |
ルックアップ |
ルックアップ |
lookup |
名称 |
文字列(1行) |
service_name |
数量 |
数値 |
number |
定価 |
数値 |
price |
商品計 |
数値 |
total |
実際のkintoneアプリの登録画面は、以下のようになります。
ルックアップ機能で、商品型番から商品名・商品単価を別アプリから引用しています。ルックアップの詳細に関しては、こちらをご参照ください。
プリントクリエイター側の設定
また細かい設定をコマンドにより設定できます。詳しくはこちらをご参照ください。
今回の場合、テーブル内フィールド以外のフィールドに関してはマウス操作のみで設定できます。基本的な使い方については、こちらをご参照ください。テーブルの設定は、以下のように表示内容のテキストエリアに特定のコマンドを入力します。
見積書のサービス名称にあたる項目は、以下のように設定しています。
{=PC_MAGIC_START ELEMENT_TYPE=TABLE; ELEMENT_STYLE->TABLE_CODE=Table_0; ELEMENT_STYLE->TABLE_TYPE=STRING; PC_MAGIC_END=}{%service_name%}
なにやら難解な文字列ですねぇ(^^;;詳しく解説します。
{=PC_MAGIC_START
「これからコマンドを開始する」というコマンドです。
ELEMENT_TYPE=TABLE;
引用するフィールドは、テーブル形式ということを明確にするコマンドです。
ELEMENT_STYLE->TABLE_CODE=Table_0;
テーブルのフィールドコードを記入し、どのテーブルなのかを明確にするコマンドです。
ELEMENT_STYLE->TABLE_TYPE=STRING;
引用するフィールドの形式を指定するコマンドです。文字(STRING)、数字(NUMBER)、日時(DATETIME)、画像(IMAGE)、QRコード(QR)から選択できますが、上記では文字を指定しています。
PC_MAGIC_END=}
「ここまででコマンドを終了する」というコマンドです。
{%service_name%}
引用するフィールドのフィールドコードを指定します。上記では、テーブル(Table_0)内フィールドの名称(service_name)が指定しています。
同様に、見積書の数量と金額は以下のように設定しています。
数量
{=PC_MAGIC_START ELEMENT_TYPE=TABLE; ELEMENT_STYLE->TABLE_CODE=Table_0; ELEMENT_STYLE->TABLE_TYPE=NUMBER; PC_MAGIC_END=}{%number%}
金額
{=PC_MAGIC_START ELEMENT_TYPE=TABLE; ELEMENT_STYLE->TABLE_CODE=Table_0; ELEMENT_STYLE->TABLE_TYPE=NUMBER; PC_MAGIC_END=}¥{%total%}
以上の様にコマンドを記述することにより、テーブルを使用しているアプリからの帳票出力が可能になります。
最後に
今回ご紹介したコマンドを使ったテーブルの設定方法は、kintoneのAPIがテーブルに対応するまでの一時的な回避策です。
kintoneのAPIがテーブルに対応した場合は、プリントクリエイターでもマウスのみで設定できるように改良する予定です。また、関連レコードのように他のアプリからデータを引用した帳票作成も、設定することができます。詳しくは、こちらの「アプリ連携の設定方法」をご参照ください。
※2015年2月25日に行なったプリントクリエイターのバージョンアップによって、テーブルの設定がマウス操作のみで可能になりました。また、関連レコードとほぼ同様の機能を有すアプリ連携機能もマウス操作のみで設定可能です。詳しくはこちらの「テーブルの設定方法」「アプリ連携の設定方法」をご参照ください
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