Cisco Webex Teamsからkintoneにレコードを登録する方法

記事内で利用しているライブラリ「request」「request-promise」は、非推奨（deprecated）になりました。
HTTP リクエストができる他のライブラリ（axios など）や、https.requst に書き換えることをおすすめします。

Cisco Webex Teams（旧称: Cisco Spark）と cybozu.com の連携シリーズ第4弾です。
第3弾では、Cisco Webex TeamsのBotを使ってkintoneアプリに登録されている自分のタスクをCisco Webex Teamsに呼び出す方法をご紹介しました。
第4弾はCisco Webex Teamsのメンション機能をつかって、担当者を指定してタスクをkintoneに登録する方法をご紹介します。

似たようなTipsとして、Slackとkintoneを連携させたSlackから手軽にkintoneへレコード登録する方法や、Slack-kintone連携をAzureでもやってみたがあります。
連携の仕組みも動作もほとんど同じですが、本Tipsではタスクの担当者を指定できる点がポイントです。

これまでのCisco Webex Teams と cybozu.com の連携シリーズはこちらです。

第1弾（Garoonとの連携）　Cisco Webex TeamsからGaroonスケジュールを予約する

第2弾（ユーザー連携）　Cisco Webex Teamsとcybozu.comでユーザー連結を行う

第3弾（kintoneとの連携）kintoneのアプリデータをCisco Webex Teamsに投稿する方法

連携イメージ

Cisco Webex Teamsにタスク投稿用Botを使ってタスクを投稿するとkintoneのタスク管理アプリにレコードが登録されます。

Cisco Webex Teamsのメンション機能を使って人を選択するとkintoneアプリの担当者欄にメンションされた人の名前が登録されます。
また、誰にもメンションをしない場合は投稿者が担当者欄に登録される仕組みです。

連携概要

Azure fuctions（Node.js）にて、以下の処理を行う

Cisco Webex TeamsのWebhookからPOSTされた投稿メッセージ、投稿者のメールアドレス、メンションされた人のCisco Webex TeamsのユーザーIDを取得
Cisco Webex Teamsとcybozu.comのユーザーをマッチング
kintoneへのリクエストデータを作成
kintone REST APIを実行し、タスク管理アプリにレコードを登録

事前準備

kintoneアプリ

第3弾で作成したアプリをそのまま使うことも可能です。

誰のタスクかがわかるシンプルなタスク管理アプリを作成します。

フィールド名	フィールドタイプ	フィールドコード
タスク	文字列（1行）	task
ステータス	ラジオボタン	status
担当者	ユーザー選択	responsible
詳細	文字列（複数行）	detail

cybozu.com

第3弾で用意したユーザーを使えます。

Cybozu.comの管理権を有するユーザーを用意する（ユーザー情報を取得できる権限が必要）

Cisco Webex Teams用Bot

Spark for DevelopersからMyAppsを開く
「Create Bot」をクリックし、以下を参考に設定

項目	設定例
Display Name	InputTask(bot)　※日本語可
Bot Username	任意文字列@sparkbot.io
Icon	任意（URL）

第3弾にMyAppsの画面ショット付きの説明を記載しています

Cisco Webex Teams

任意のスペース（タスクを表示させるスペース）のユーザーに作成したBotを追加する
上記のスペースを利用するユーザーを1人以上登録する
登録するユーザーのメールアドレスは、cybozu.comに登録されているメールアドレスと一致させる（注）

注：Cisco Webex Teamsとcybozu.comのユーザー連携は、メールアドレスで一致させています。

ユーザー連携の詳細はCisco Webex Teamsとcybozu.comでユーザー連結を行うをご参照ください。

環境作成

Azure Functions

Azure Functionsの準備に関しては、kintoneとMicrosoft Azureを連携してみよう（Azure Functionsその1）の「Azure Functionsの準備」欄を参考にしてください。

ここでは簡単にポイントのみ記述します。（アカウント等の準備は省略）

関数を作成

Function Appの画面からクイックスタート画面を開く
シナリオ選択は、「WebHook ＋ API」を選択
言語の選択は、「JavaScript」を選択

パケットモジュールのインストール

「Function Appの設定」→ 「Kuduに移動」を選択
「site」→作成した関数のフォルダに移動
package.jsonを生成
npmコマンドを実行し、「request」「request-promise」をインストール
package.jsonを開いて下図のようになっているか確認（①、②、③）

Node.js

下記のJavaScripプログラムをコピーし、作成した関数の「</>開発」のコード欄に貼り付
「XXX」で記載されている各パラメーターをご自身の環境に合わせて記入
「保存」ボタンをクリック

Cisco Webex Teams Webhook の設定

Cisco Webex for Developers（旧：Cisco Spark for Developers）からWebhookのCreate a Webhookを開く
TestModeを「ON」にする
以下の項目を入力し、「Run」をクリック

項目	設定値
Authorization	Bearer 「Botのアクセストークン」　※
name	今回作成する Webhook の名前(任意)
targetUrl	Azure Functionsの関数のURL　※
resource	messages(固定)
event	created(固定)
filter	mentionedPeople=me　※