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kintoneコネクタ(Microsoft Power Automate)を使う前に知っておきたいこと

(著者:サイボウズ 竹内 能彦)

 

Index

 

更新履歴
・2020/11/26 「Webhookの通知数には上限がある」を追加しました。
・2019/4/4 「kintoneコネクタ(アクション)で設定できるフィールド」を追加しました。
・2018/11/1 「kintoneコネクタの機能一覧」を更新しました。
・2018/4/26 「ゲストスペース内アプリでは使えない」を追加しました。

 

はじめに

Microsoft Power Automate を使うとノンコーディングで様々なサービスと連携できます。
非常にワクワクします。そのワクワクを kintone でも!と、2018年1月に kintoneコネクタをリリースしました。

なんでもできそう!?と思いがちな kintoneコネクタですが、事前に検討すべきポイントがあります。
今回はそのポイントを11選としてまとめました。
今後も継続更新しますので定期的にチェックしてください!

 

1. kintoneコネクタの機能一覧

kintoneコネクタ(トリガーとアクション)の機能一覧になります。
Webhookは参考までに掲載しています。(kintoneコネクタ(トリガー)はWebhook機能を使っているため)

今後のバージョンアップでトリガーやアクションの追加対応を予定しています。お楽しみに!


操作

kintoneコネクタ
(トリガー)

kintoneコネクタ
(アクション)

Webhook
(トリガー)※参考

ブラウザ/kintoneモバイル レコード登録(再利用含む) -
レコード編集
(変更履歴からのリバート含む)
    〇 ※3 -
レコード削除     〇 ※3 -
レコード一括削除 × - ×
レコードコメント書き込み     〇 ※3 -
レコードステータス変更
(ステータスが進んだときのみ)
    〇 ※3 -
REST API       レコード取得 × × ×
レコード登録
レコード一括登録 × × ×
レコード更新     〇 ※3
レコード一括更新 × × ×
レコード削除 × × ×
複数アプリへのレコード一括処理 個々の処理に準ずる ※1 × 個々の処理に準ずる ※2
Excel/CSV 読み込み × - ×

※1 例えば、レコード登録/レコード一括登録を一括処理した場合、レコード登録のみ動作します。

※2 例えば、レコード登録/レコード一括登録/レコード更新/レコード一括更新を一括処理した場合、レコード登録/レコード更新のみ動作します。

※3 2018年11月2日以降

 

2. 利用できるのは有償プランのみ

Premiumコネクタとして Microsoft Power Automate の有償プランでのみ提供しています。
Office 365 の同梱版では利用できないためご注意ください。
詳細は Microsoft Power Automate のプランをご確認ください。

 

3. cybozu.com共通管理の設定変更が必要

kintone コネクタを利用するには外部サービスとの連携を許可する必要があります。
詳細は cybozu.com ヘルプをご確認ください。(cybozu.com共通管理のシステム管理者権限が必要です)

 

4. 「Webhookの送信を許可する」を有効にする必要がある

「Webhookの送信を許可する」が有効になっていない場合、kintoneコネクタ(アクション)は利用できますが、kintoneコネクタ(トリガー)は利用できません。
kintoneコネクタ(トリガー)を利用するには、cybozu.com管理画面で「Webhookの送信を許可する」を有効にする必要があります。設定方法は「Webhookの送信を制御する」 をご確認ください。

 

5. ゲストスペース内アプリでは使えない

ゲストスペース内アプリではトリガー、アクション共に使えません。

Microsoft Power Automate の HTTP アクションを使用することでゲストスペース内アプリに対して kintone REST API を実行することができます。詳しくはこちらをご覧ください。

 

6. Webhookの通知数には上限がある

kintoneコネクタ(トリガー)が利用しているWebhookの通知は、ドメイン単位で1分間に60回まで送信されます。
1分間に60回を超えてレコードを操作すると、61回目以降の操作ではWebhookの通知が送信されません。

7. IPアドレス制限時の利用可否

cybozu.com でIPアドレス制限を利用する場合は、下記IPアドレスを許可する必要があります。
※本記事更新時(2018年3月)では「1」だけでなく、「2」および「3」の設定が必要なことを確認しています

  1. Microsoft Power Automate のIPアドレス
  2. Office 365 のIPアドレス
    ページ上部の「ダウンロード」からIPアドレス情報を含んだXMLファイルをダウンロードできます
  3. Azure データセンターのIPアドレス

IPアドレスを許可しない場合は kintoneコネクタ(アクション)は使えません。
詳細は以下の表をご確認ください。

  kintoneコネクタ
(トリガー)
kintoneコネクタ
(アクション)
Basic認証 ×
セキュアアクセス ×

 

8. SAML認証時は利用可能

SAML認証時は kintoneコネクタのトリガーもアクションも使えます。
注意事項ではありませんが、気になる方もいらっしゃると思うので記載してあります。

 

9. kintoneコネクタ(トリガー)で取得できるフィールド

以下の表をご確認ください。

  取得可否と備考
文字列(1行)
リッチエディター
(HTMLコードを含む文字列として扱われます
例:<div><b>あいうえお</b></div>)
文字列(複数行)
数値
計算
ラジオボタン
チェックボックス  〇 ※1
複数選択  〇 ※1
ドロップダウン
日付
時刻
日時
添付ファイル
(contentType、fileKey、name、sizeは取得できますが、
ファイルの実体は取得できません) ※1
リンク
ユーザー選択 〇(code、nameの両方) ※1
組織選択 〇(code、nameの両方) ※1
グループ選択 〇(code、nameの両方) ※1
関連レコード一覧 ×
ルックアップ
グループ
(グループに含むフィールドも通常フィールド同様に取得できます)
テーブル ×
(テーブル内フィールドは取得できません)
レコード番号
作成者 〇(code、nameの両方)
作成日時
更新者 〇(code、nameの両方)
更新日時
Record URL
※kintoneコネクタ用の要素
Webhook notification ID
※kintoneコネクタ用の要素

※ Webhook のレコード削除トリガーでは、フィールドの内容を取得できません。取得できるパラメーターの詳細は「Webhook(レコード削除)」をご参照ください。
そのため、削除をトリガーに連携先の情報を削除することはkintoneコネクタだけではできません。
削除フラグを用意するなどの運用をご検討ください。

※1 配列として扱われます

 

10. kintoneコネクタ(アクション)で設定できるフィールド

以下の表をご確認ください。

  設定可否と備考
文字列(1行)
(自動計算が有効な場合は設定できません)
リッチエディター
(例:<div><b>あいうえお</b></div>)
文字列(複数行)
数値
計算 ×
ラジオボタン
チェックボックス ×
複数選択 ×
ドロップダウン
日付
時刻
日時
添付ファイル ×
リンク
ユーザー選択 ×
組織選択 ×
グループ選択 ×
関連レコード一覧 ×
ルックアップ
(ルックアップのコピー先フィールドは設定できません)
グループ
(グループに含むフィールドも通常フィールド同様に設定できます)
テーブル ×
(テーブル内フィールドは設定できません)

 

11. Microsoft Power Automate の設定者=リクエストの実行者である

Microsoft Power Automate の設定者=リクエストの実行者になります。

例1) kintone のレコード登録時にOutlook予定表に登録する
アクション「Office 365 Outlook - イベントの作成(V2)」には開催者(実行者)を指定する機能がありません。
そのため、この場合は Microsoft Power Automate の設定者が開催者(実行者)になります。

例2)Outlook予定表に登録されたら、kintone にレコード登録する
同様に、Microsoft Power Automate の設定で kintone にログインしたユーザーがレコード作成者(実行者)になります。

 

12. エラー対応でできること

kintone のWebhookでエラーが発生した場合、リトライ機能やメール通知機能はありません。

Microsoft Power Automate でエラーが発生した場合、リトライ機能があります。
オプションの設定メニューから再試行ポリシーを設定できます。

flow1.pngflow2.png

 

エラー発生時に通知させる方法はありますが、標準の通知機能では Microsoft Power Automate 設定者のみへの通知になります。

flow3.pngflow4.png

 

まとめ

2018年3月時点では kintoneコネクタの機能が一部しかありません。
また、能動的なエラー対応が必要なことから、大規模環境やエラーが許されない状況での利用は難しそうです。

とはいえ、ノンコーディングで連携できることは大きな魅力で、個人や小規模環境では様々な使い道がありそうです。

今後のバージョンアップに期待しつつ、計画的に利用しましょう!

 

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山口優

Flow Plan2を契約して試してみましたが,まだまだ今後に期待というかんじですね。でも,Flowに対応したこと自体はとても嬉しいです。

  • Flow(Premium)が必要
  • BASIC認証,トークンに対応してない
  • ファイルの保存,取得ができない
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